膜型レクチン分子CD22が鍵を握る免疫グロブリンクラス特異的B細胞抗原受容体シグナル

摘要

B細胞抗原受容体（BCR）は膜型免疫グロブリンとIgα／Igβ二畳体から成る．免疫グロブリンにはIgM，IgD，IgG，IgA，IgEの5つのクラスがあり，分化段階によりB細胞は異なるクラスの免疫グロブリンを発現する．抗原にまだ反応したことのないナイーブB細胞はIgMとIgDを発現する．免疫応答が起こり，B細胞が活性化するとIgGなどのその他のクラスの免疫グロブリンを発現するようになる．免疫グロブリンは分泌されて抗体として棟能するとともに，細胞膜に発現してBCRのリガンド認識コンポーネントとなる（膜型免疫グロブリン）．すべてのクラスの膜型免疫グロブリンがIgα／Igβを介してシグナルを伝達するので，クラスが異なっていてもBCRは，抗原との反応により，基本的には同じシグナル分子の活性化を起こし，B細胞の活性化が起こるとされてきた.