裁判員制度における評議のデザインー専門家の知と市民の知の融合に向けてー

摘要

刑事裁判は，2009年5月以降大きく変わることになる． 同月以降，選挙人名簿をもとに無作為に選出された一般市民く裁判員）が，裁判官とともに，重大な事件を担当し，公判廷に列席して，有罪無罪，そして有罪の場合には刑の内容を決めることになるのである． これが裁判員制度と呼ばれるものである高裁081.本稿では，裁判員制度において，法律専門家である裁判官と市民である裁判員という知識経験の異なる参加者が，円滑に合意を形成していくための課題と，コミュニケーションデザィンの必要性を論じたい．