次世代太陽光発電の可能性と課題

摘要

21世紀はエネルギーの時代である．エネルギー基盤の確立なしに，わが国の持続的発展はありえない．われわれは，研究開発により独自の新エネルギー開発を進め，エネルギー自給率を50％以上に高めることを掲げ，「2030年新エネ50％イニシヤティブ」という掟言を行ってきた（21世紀COEプログラム「環境調和型エネルギーの研究教育拠点形成」）．中でも太陽光発電は，未来の基幹エネルギーとして最も期待している．2060年，人口が100億を超えたときのエネルギー需給シナリオでは現在の450EJ／aが，約3．5倍の1500EJ／aになるものと予想され，3分の2が太陽エネルギーを中心とする再生可能エネルギーにより賄うことが期待されている（シェル）（図1）．つまり，新エネルギー技術の開発なしには，世界経済の成長はありえないといえる．