炎症の遷延化とがんの増殖を抑制するイムノトキシン

摘要

成人の約半数が罹患するといわれる，がんく男 性の6割，女性の4 it）および炎症性慢性疾患の 治療に対する抗体医薬品の需要は年々増加の一途 をたどっている． 抗体医薬は疾患の原因に関連す る分子や細胞に結合してその作用を中和するだけ でなく，本来人間が持ち合わせている免疫系を介 して治療へと誘導させる働きを持っ． 抗体医薬が 持つ高い特異性は，現存の低分子化学薬剤や分子 標的治療薬に対して大きな利点となっているが， 今後は抗体それ自身の低分子化や，高機能化した 抗体医薬品の上市についても増加することが予想 される． 本稿では高機能化抗体のーつに位置づけ られるイムノトキシンについて概説し，著者らの 動物モデノレにおける実施例を紹介したい．