冬期湛水水田の実施要因に関する分析― 宮城県蕪栗沼周辺水田を対象として

摘要

蕪栗沼周辺水田は，2005年にラムサール条約湿地に登録された。しかし，その周辺では生物 の生息数が減少してきた。そのようなこともあり，大崎市は，生物の生息環境の保全を実施する目的 で，冬期湛水水田を推奨しており，今後はその面積を拡大させることを目的としている。本研究では， 宮城県蕪栗沼周辺水田の農家を対象として，ロジットモデルを適用して，冬期湛水水田の実施要因 に関する分析を行った。 その結果，冬期湛水水田の実施に影響を与える要因として，ブランド米を販 売している農家と無農薬無化学肥料栽培面積が正，第一種兼業農家が負の符号になることが明らか になった。このことから，これまで以上に農家に対する冬期湛水水田に関する発を行うとともに， 冬期湛水水田栽培米のブランド化等をすすめていく必要があるといえる。