二次元電気泳動を用いた臨床マーカーの開発-必要とされる技術開発と臨床研究への応用－

摘要

二次元電気泳動を用いたタンパク質の発現解析は1970年代に始まり，今もなおプロテオミクスではもっとも普及している．一度の泳動で数1000種環のタンパク質が観察できること，一度に多検体を泳動できること，初期投資が少額であること，結果をデータベース化できること，などを考えると，これからも二次元電気泳動の需要は衰えることはないだろう．DNA塩基配列のデ岬タベースが整備され質量分析が進歩し，スポットに対応するタンパク質の同定は以前に比べると圧倒的に簡単にできるようになった．また二次元電気泳動用の蛍光色素（2D－DIGE）によって定量性やスループット性は著しく向上した．二次元電気泳動では数1000種類の多種多様なタンパク質が観察されるので，多くの臨床検体について二次元電気泳動でタンパク質発現プロファイルを作成すれば，臨床情報とリンクするようなタンパク質を見つけることができるだろう．またそのようなタンパク質は治療のターゲットや臨床マーカーになりうる．