電磁波生体影響評価研究の現状ならびに電磁波生命科学の確立に向けて

摘要

近年、電磁波曝露（"電磁場"と表記する場合もあるが、ここでは"電磁波"で紆一する。 また、放射線分野では"照射りを用いているが、非電離のこの分野では一般的に"曝露"を用いているので、ここでは"曝露''表現に統一する）の人体への影響、特に発がんに対する影響の有無について活発に議論されている。 我々の生活環境には、家電製品の発生する電磁波はもちろんのこと、医療現場におけるMRIや電磁波加温装置、また変電所や送電線下の交流磁場、さらに将来に実現性があるリニアモーターカーや超電導電磁推進船など、地球上の∩然界に存在する以上の電磁波に曝される機会が増している。 我々が現存から将来にかけて生活環境中曝される可能件が高いのは、近年磁束密度が1．5Tよりさらに高まる傾向にある医療の診断におけるMRIの強定常磁場や主として商用周波数領域における変動磁場、つまi）極低周波（EIノF：Extl?emely Low Frequency）変動磁場、そして最近の普及ぶ町が月覚ましい携帯電話を代表とした高岡波領域の電磁波（＿－一三として我が国では90仙MHzおよび1．5GHz）やIHクッキングヒーターからの中間周波数帯電磁波（数10kHz）である。