日本企業のコーポレート.ガバナンスと買収防衛策―金融機関の性格変化を踏まえた実証分析―

摘要

2005年に生じたライブドアとフジテレビによるニッポン放送争奪戦を契機に， 日本でも買収防衛策（ライップラン）の導入が始まった。また， 2007年には延期されていた三角合併が解禁された。これは外国企業が日本国内に子会社を設立し，その子会社が親会社の株式を用いて日本企業の株主から株式交換によって株式を取得し， 子会社と日本企業を合併させる手法である。日本企業の株価は外国企業に比べて割安であり，日本の経済界では「外資脅威論」が台頭 した。三角合併の延期はこのような経済界の要請を受けてのものであり，それもまた， 買収防衛策の導入を促進した。