友人との死別が成人期の抑うつに及ぼす影響　　年齢および家族サポートの調節効果

摘要

ライフイベントが個人の心理的健康を阻害するストレツサーとなることは広く知られているが，ストレスのメカニズムにおいて，年齢がどのような役割を果たすかに関しては，十分明らかにされてこなかった（Folkman，Lazarus，Pimley，＆Novacek，1987）。 しかし一方で，PearLin＆Liebelman（1979）は，ライフイベントがもたらすストレズの影響には年齢差があることを指摘している。 例えば，人はw一生のうちに様々なライフイベントを体験する．が，このうち，"入学"や''卒業"は主に児敦期から青年期にや叫ナて体験するライフイベントであり，"結婚"や"子供の誕生"は成人期に体験するライフイベ．ントである。 つまり，ライフイベントの多くは，体験時期が個人の発達段階や年齢と対応している（福川，2002）。 Pearlin　 ＆Lieberman（1979）は，このような観点から，ある年齢の個人には"ありふれた"ライフイベントでも，別の年齢の個人には予想外の特異な体験となるため，より強いストレス状態をもたらすと考えた。