気象と気候研究で利用される衛星搭載可視赤外イメージャとマイクロ波センサ

摘要

世界初の人工衛星が打上げられて50年が経た現在，衛星による地球観測は日々の天気予報や気候研究に欠かすことのできない重要な手段となっている．衛星観測では，実に様々なタイプのセンサが用いられる．可視光を赤，縁，背の3波長で観測し，写真のような合成画像が作成できる可視イメージャは，画像を新聞等で目にする機会も多く，一般にも馴染み深いセンサであろう．しかし，観測に利用する波長は紫外からマイクロ波領域までと幅広く，可視光はこれら観測波長のごく一部分である．また，観測対象や目的によって，空間分解能，波長分解能，観測幅，衛星軌道に様々な種煩があり，さらに受動型と能動型の違いもある．本稿ではこれら多くのセンサのうち，日本で開発及び打上げ実績の多い可視赤外イメージャとマイクロ波センサを例に，衛星観測の特徴と主なセンサの紹介を行う．代表的な可視赤外イメージャとマイクロ波センサについて第1表に，文中の略語を略語一覧にまとめたので参照されたい．