障害高齢者の在宅介護における対処方略のストレス緩衝効果

摘要

障害をもった高齢者の介護場面において，介護ストレツサーが介護者の精神的健康に及ぼす悪影響を和らげる要因の一つとして対処方略が挙げられている（Pearlin，Mullan，Semple，＆Skaff，1990）．介潜ストレスに対する対処方略の概念構造はPearlinら（Pearlin et al，，1990；Pearlin＆Schooler，1978）によれば，状況の統制，苦悩の統制，解釈の統制にまとめられているが，一般的なストレスにも用いられる呼称としては，問題焦点型，情動焦点塾，評定焦点塾といわれることが多い．問題焦点型とは，ストレスフルな環境そのものを直接的に変革していこうとする対処方略，情動焦点塾とはストレツサーによってもたらされる情動を統制，軽減しようとする対処方略（Lazarus＆Folkman，1984），評定焦点型はストレス状況の意味を肯定的に変容させるという対処方略（Billings ＆ Moos，1984）である．