地理座標系と地図投影法

摘要

GISで様々なデ一タを重ね合わせ,新たにデ一タを加え,そして一枚の主題図を描いていく際,最初に行われる最も重要な作業は,デ一タの描かれた地形図が依拠する様々な座標系及び地球楕円体を把握し,それらを座標変換して統一させることでしょう。地球楕円体は,回転楕円体が地球の大きさと形を表わす場合を指し(村上, 2014),座標変換では地球楕円体(緯度と楕円体高を表わすためのもの)と座標系(地球楕円体の位置と向きを決めるもの)を切り離して考えると分かりやすくなります(飛田,2002)。表-1に,日本における座標系と地球楕円体の組み合わせを示します。静穏な平均海面を内陸まで連ねた仮想的な面,っまりジオイドには,地球内部の物質の不均一さを反映して起伏があります。GPSをはじめとするGNSS (Global Navigation Satellite System)が普及するまで,地球楕円体はその国や地域の測地原点でジオイドに接するょうに個々に定義されたので,それぞれの地球楕円体の向きは国際的に共通になっていませんでした。