金属板材の大ひずみ二軸応力－ひずみ曲線の連続測定を可能とする二軸バルジ試験機の開発

摘要

筆者らの一人は，板材をロール曲げした後，板縁をレーザ溶接して円管試験片を製作し，サーボ制御円管バルジ試験機を用いて軸力と内圧を負荷する試験方法（以下，二軸バルジ試験方法）を考案した．これにより，0.2を超える塑性ひずみ範囲において，任意の二軸引張応力下における純チタン板の加工硬化挙動の測定に成功した（十字形試験片で付与できる最大塑性ひずみは0.002であった）．しかし，この試験方法では，ひずみゲージの貼り替えが必要であり，応力－ひずみ曲線の連続測定はできなかった．本研究では，二軸引張変形を受ける金属板材の応力－ひずみ曲線を連続測定可能な二軸バルジ試験機の開発に成功したので，その詳細を報告する．さらに，開発された二軸バルジ試験機の有用性を立証するための事例として，冷延IF鋼板の塑性変形挙動と成形限界を詳細に測定·解析した結果も合わせて報告する．