Industrie 4.0をとりまく競争領域·協調領域を考える～I4.0, IoTは何を自動化するか

摘要

最近，ドイツ発のIndustrie 4.0（I4.0）が話題にのぼるようになり，各所で注目を集めている．また米国からはInternet of Things（IoT）やIndustrial Internet of Things（IIoT）などが提唱され，両者ともに日本を含む世界の製造全般に大きな変化を与える可能性が指摘されている．これらはいずれもきわめて広いコンセプトと概念を含み，相互に関連し合い，さまざまな切り口，観点からの議論や解釈が可能である．何より重要なのは，おそらく後戻りのできない大きな変化の一部をなすであろうことが予感される．そこで本稿では，これらがどのような意味をもち，どのように受け止めて立ち向かうべきか，いくつかの見方を示すことで，読者それぞれによるさまざまな取組みにつなげるきっかけを提供できればと考える．