エンジン制御システムにおける燃焼状態センシング技術

摘要

Yatin V. Chaudharyらはシリンダブロックの振動モードを解析し，シリンダブロック上部のヘッド近接位置が，ノック振動検出の高感度位置であることを報告している．またKnorad Christらはノックセンサの活用範囲を拡張し，ソレノイドインジェクタ内部の弁が駆動する際に発生する振動をセンシングし，インジェクタキャリブレーションに用いる報告をしている．O_2センサは排ガスの酸素濃度を測定し燃焼状態を間接的にセンシングする．Amadou，Y. らは微分信号の振幅を測定する手法を提案しており，高回転時の失火センシングを可能としている．センサ自体の高精度化も進められており，Flank Stanglmeierらは排ガス物性によろインフレクシヨンポイント誤差を材料の改良により低減している．空燃比センサは排ガスの空燃比を測定し信号を出力するが，W. Schickらはこの信号を用いたマルチシリンダエンジンにおける気筒間空燃比制御の安定性解析を報告している．林下らは空燃比センサの構造およびカバー形状の改善により高応答化させることで気筒間燃焼変動センシングに応用した．以上の開発を鑑みるに，各センサを用いた燃焼状態センシングは高度化しており，センサ自体も性能向上に向け開発されている．