鋳鋼ブレーキディスク材のすべり摩擦試験で得られる白色層組織

摘要

鉄道用鋼ブレーキディスク摩擦面には高負荷制動により，いわゆる白色層と呼ばれる変質組織が生成する．この白色層はナイタール腐食に対し耐食性を有ずるため，光学顕微鏡において白く観察される．筆者らは新幹線用高負荷制動試験後の鋳鋼ブレーキディスク（以下単にディスクと称ず）摩擦面近傍に発生した白色層を組織解析した結果，焼入れ性の高いディスク材の場合，完全マルテンサイトであることを報告した1）．