凍結鋳型により鋳造した青銅鋳物鱒冷却挙動に及ぼす鋳物砂の影響

摘要

水を加えた砂を凍孝吉させることによって造型した凍結鋳型による鋳造プロセスは，従来の鋳型では避けられなかった工業的諸問題を大幅に抑制できる可能性を秘めている．特に，最近では，新しい凍結技術が考案されたことから注目度が上がり，実用化へ向けた取り組みが加速している．有機系の添加剤が加えられていない凍結鋳型では，鋳造時に有毒ガスや悪臭が発生しない．また，氷が溶けると自然に崩壊するため，型ばらし作業が不要となり，これにともなう振動や騒音，粉塵の発生が大幅に抑制されるという特長もある．このように，凍結鋳型を用いた鋳造プロセスには，作業環境の改善という面で優れた工業的利点があり，その普及を図るために，これまで，凍結鋳型の造型法や強度特性，凍結時の変形さらには砂の再利用性等に関して研究が行われてきた．