二輪車用チタン材料の現状と今後

摘要

軽くて強いチタンは，内燃機関部品の軽量化による大幅な性能向上につながるため，2輪車ではレース用として1960年代より多くの研究が行われてきた金属材料のひとつである．しかしながらチタンは，2輪，4輪量販車への適用において，製造プロセスである鍛造や機械加工技術をはじめとした量産技術のインフラが充分ではなく，開発途上の材料であった．われわれは，1980年代後半より2輪車として，初めて量販車部品へチタン材料の適用を行い，これ以降も量産化を進めてきた．