プロセス系基幹業務システムはこれでうまくいく－総論：企業経営と情報化

摘要

わが国を覆う閉塞感は，新しい産業構造の到来を予告するものであり，その変化を加速するかのように，情報通信技術（IT）の発展はサプライチェーンの形成を促し，企業形態を統合型から分散型へ，すなわちモジュール化を推進させつつある。 この間，主として業務遂行に重点を置いた企業内のナレッジマネジメントは企業経営そのものを支援するビジネスインテリジェンスに拡大適用されつつあり，一方2004年に予定されている四半期ごとに連結ベースの損益計算書や貸借対照表を公表する四半期決算の法制化は，企業経営そのものの情報化を推進しつつあるといえよう。 特に，企業経営に関わる情報を一元管理する統合基幹業務システム（ERP）の導入が不可避になりつつあるといえよう。このように，ますます増大する情報システム投資に対して，従来以上により精緻で的確な評価方法が求められつつあり，その有力候補として「リアルオプション」「バランススコアカード」などの方法が脚光を浴びている。 ここに，これらの動向を「企業経営と情報化」としてとらえ，一括して述べることにする。