医薬·化粧品製造とナノテクノロジー：化粧品製造におけるナノレベルでの微粒化システム

摘要

微粒子は乾燥した状態では非常に凝集しやすいため，粉末で3μm以下にすることが困難である。 そのためナノ粒子は，通常，液体に混合した状態「湿式」で微粒化操作を行う。 また，湿式ナノ粒子には，固体粒子を液体中に混合する「分散（ディスパージョン）」と，液体を混じり合わない別の液体中に混合する「乳化（エマルション）」の2形態があるが，化粧品の場合，乳化液中に固体粒子を分散させることも多い。しかし，ナノ粒子は再凝集しやすく，基材媒体中での混合状態が製品の仕上がりを決定することになるため，使用する装置の選定，処理条件が非常に重要になる。 本稿では，超高圧を利用した「湿式微粒化装置（アルティマイザー）」の特徴と処理例および化粧品製造において，ナノ粒子にすることによる効果，発揮される機能性について紹介する。