持続型社会の構築に貢献するバイオマスエネルギー技術－STING法による廃食油のバイオディーゼル燃料への変換

摘要

1997年12月の気候変動枠組条約第3回締約国会議（COP3：京都会議）にて採択された京都議定書などが機運となり，動植物油脂を原料とする軽油代替燃料，バイオディーゼル燃料(BDF)が再び注目を集めている。 バイオディーゼル燃料は動植物油脂の主成分であるトリアシルグリセロールをメタノールとエステル交換し（メタノリンス反応），脂肪酸メチルエステルとしたもので，副産物としてグリセリンを生成する（図1）。 この反応には通常，触媒が用いられ，水酸化カリウム(KOH)などを用いるアルカリ触媒法と硫酸(H{sub}2SO{sub}4)などを用いる酸触媒法，さらにそれらを組み合わせた酸／アルカリ2段階法などに大別されるが，現在の主流はKOHを用いたアルカリ触媒法である。