絞り加工·しごき加工用潤滑油の選び方と使い方：ステンレス鋼板のしごき加工用潤滑油の選び方と使い方

摘要

ステンレス鋼板の深絞り成形は難加工の代表例として挙げられるが、筆者は、絞り成形そのものは必ずしも難しいものではなく、実加工時に問題となるのは、縮み変形によって板厚を増したフランジ部がパンチとダイの間を通過する際の摩擦挙動にあると考えている。フランジ部の板厚がクリアランスよりも厚くなると、フランジ部にはしごきの要素が発生することになり、この際に潤滑が不十分であると焼付きが発生し、製品品位の低下や場合によっては破断に至る。すなわち、ステンレス鋼板の深絞りが難加工であるのは、しごきの要素が含まれるためであるとも言える。