遮熱·断熱塗料とガラスの最新技術：遮熱·断熱機能を有する塗料·ガラスによる省エネルギー効果

摘要

1970年代の石油ショック時，エネルギー資源の枯渇に対する関心の高まりから省エネルギーの必要性が叫ばれた。 省エネルギーは，多くのエネルギーを消費する製造業のみならず，非製造業や民生·運輸両部門でもその必要性が認識された。 その結果，建築物，特に住宅においては，1970年以降，新築時の断熱材の導入が進み，空調需要の増加を抑制してきた。 今日，地球温暖化に対する関心の高まりから温室効果ガスの排出抑制の必要性が叫ばれている。温室効果ガスのうち，京都議定書での規制対象は，CO{sub}2，CH{sub}4（メタン），N{sub}2O（一酸化二窒素），HFCs（ハイドロフルオロカーボン類），PFCs（パーフルオロカーボン類），SF{sub}6（六フッ化硫黄）の6種であるが，CO{sub}2はこのうち94％（GWP換算）を占める（2003年現在）。 また，CO{sub}2の総排出量の94％がエネルギー消費起源である。 このため，地球温暖化を抑制するには，省エネルギーを推進する必要がある。 本特集で扱われる遮熱·断熱技術の導入は，既存建築物に対して容昜に導入可能であり，建築物のエネルギー消費全体の削減に大きく寄与するものと思われる。