省エネ事例にみるスピルオーバー：圧空·コンプレツサ省エネエアブローの最適化

摘要

工場エアー（圧縮空気）の改善は，毎年多くの事例が紹介され，それぞれ工夫がされた内容で，参考になる。 しかも技術的に進歩していることが分かる。 今までの改善ステップは，工場エアーの使われ方をまとめると，以下のような用途と適正の評価になる。（○適正，△検討の余地あり，×不適）·空圧機器アクチュエータ用（○）·空圧駆動工具（△）·空圧利用搬送（△）·ペイントスプレー塗装ガン用（○）·空圧利用センサー用（△）·制御盤，機器の空圧パージ用（△）·粉塵，ダスト除去清掃用（×）·水滴吹き飛ばし·乾燥用ブロー（×）·冷却用ブロー（×）等がある。 しかも現状の工場エアーの大部分が不適の用途に使用されていることである。 今回，（株）デンソーによる長年の大変な努力の成功で，ついに「工場エアー」の「ブロワ化」に突入し，大きな改善テーマとなった。 ブロワ化については，過去から何度も繰り返し各社が挑戦してきたテーマだったが，「ブロワではパワー不足」との先入観から，実用化に至らなかった経過がある。 今年の事例で，偶然，数社からブロワ化の成功事例の発表があった。 「工場エアーによるエアブローのブロワ化転換」の技術を集大成した事例1をはじめ，「工場エアーをルーツブロワ化に転換」の事例2，「各種の省エアー改善」の事例3を紹介する。