胚珠培養によるキクとハマギクとの雑種作出

摘要

愛知県では東三河地方を中心としてキク栽培が盛んに行われている。 平成七年度の生産額は三百六億円と愛知県花き生産額の約由五％を占め、本県の主要花き品目となっているが、近年は産地間競争が激しくなり、新規性が高く商品性のある品種の育成が望まれている。 ハマギク（第一図参照）は、東北地方の太平洋岸に自生する野生ギクの一種である。 キクにはみられない、肉厚で光沢のあるへら型の葉が特徴で、観賞用としても栽培されている。 また、キクの重要病害の一つである白さび病に罹病しにくいといわれており、従来にない葉型や耐病性を備えた新しいキク品種を育成するための育種素材として、利用価値が高いと考えられる。