電撃型自動計数フェロモントラップによる茶害虫の発生予察

摘要

合成性フェロモン剤を誘引源としたフェロモントラップは、現在、害虫の発生状況調査手段として広く利用されている。フェロモントラップの最大の利点は、原則として対象とする種のみを選択的に誘引するため、誘蛾灯調査で必要とされる種々の害虫の識別能力や同定の知識等をあまり必要とせずに、簡便に調査が行えるということである。実際、チャでも各府県の試験場や病害虫防除所、農協等で、三種のハマキガ類（チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、チャノホソガ）を対象としたフェロモントラップによる調査が幅広く行われており、各機関は調査した発生消長のデータから、薬剤散布適期の推定を行うなどしている。 防除適期の推定は、化学合成農薬による防除の効率化や残効期間の短いBT剤やGV剤（顆粒病ウイルス製剤）等の効果の安定化等に不可欠で、個々の農家が最も必要とする情報の一つである。