イチゴ新品種開発における内外の動向

摘要

世界のイチゴ生産量（FAO統計）は、二〇〇一年は約三一〇万トンで、この五〇年間に約八倍まで増加している。 生産地域は北アメリカ、ヨーロッパ、東アジアに集中し、国別ではアメリカが七六万トン、スペインが三三万トン、ポーランドが二四万トン、日本が二〇万トン、イタリア、韓国が一八万トンを生産しており、イチゴは今日の重要な経済作物の一つとなっている。 わが国では全国の卸売市場における取扱金額が二千億円を超え、園芸品目中でミカンを抜き一位となり、最も重要な園芸作物となっている。 最近、ニーズの多様化や経営改善の狙いから、公立試験研究機関や民間での品種開発がますます盛んになっている。 本稿では、国内外におけるイチゴ品種の最近の開発動向について紹介する。