V-Mod.2.25Cr-1Mo鋼の500℃クリープ強度の支配因子

摘要

低合金フェライト系耐熱鋼特発電用ボイラあるいは石油化学プラントなど，高温高圧で使用される容器，配管等で多〈使用される。 なかでも石油化学プラントの操業条件は，環境問題の観点から原油中の不純物を除去する過程の高温と高圧化が同時に進みつつあり，使用する材料の高温特性の向上が望まれていろ。 2.25％Cr-1％Mo鋼板(JIS-SCMV4)にVを0.25％、添加したV-Mod. 2.25Cr-1Mo鋼は，そうした要求に応えて高温特性，すなわち高温クリープ強度と耐食性を高めた材料として既に実用化されている。 しかし，高温特性，特に高温クリープ強度を高めている材料科学的な機構の理解は十分になされていない。 その主な理由としてはV-Mod.2.25Cr-1Mo鋼の適用温度が500℃以下と比較的低く，物質の拡散の遅い温度帯であるため，長時間のクリープ試験が必要となることから実験観察が困難であることが挙げられる。しかし，プラントの建設あるいは操業コスト削減の観点から，実際の材料使用は長期化する傾向にあるため，金属組織学的な理解の元に，高温材料としての適用限界寿命を評価&&&&&確認する必要がめると考えられる。