ISO9001及び14001の審査登録制度：これまでの日本での発展の経緯と課題

摘要

我が国のQMS（品質マネジメントシステム）審査登録制度は，1993年に日本工業標準調査会認定·認証部会の答申を受けて，日本で初の民間認定機関として設立された（財）日本品質システム審査登録認定協会（現在の（財）日本適合性認定協会：JAB）が，QMS審査登録機関及び審査員研修機関の認定を開始して，本格的にスタートした。 EMS（環境マネジメントシステム）については，1996年にJABが審査登録機関の認定を開始した。 QMS審査登録制度の開始当初は，日本の製造業には工程中での品質作りこみや統計的品質管理手法に代表される日本的品質管理手法で十分といった考え方があって，欧州諸国への輸出のためのパスポート的価値だけで受け止められていた。 その後，ISO9000シリーズ規格が購入者の視点からの要求事項であることや経営改善のツールとして活用できるとの認識が深まり，登録数は急速に増加し，今日でもなお増勢傾向は変わらない。