プエルトリコでの石油タンクの大規模火災事故

摘要

2009年10月3日未明，米国自治領プエルトリコの首都San Juan近郊Bayamonの，Caribbean Petroleum，corporation（CAPECO社）タンクターミナルで，17基の石油タンクの大規模な火災があり，鎮火まで59時間を要した。タンカーからガソリンを受け入れ中の1基のタンクのオーバーフローによって蒸気雲が発生し，爆発が起きたものである。近くの住民3名が軽傷を負い，数百軒の住宅が爆発の衝撃による破損被害を受けたが，幸いにも犠牲者はなかった。本事故は，多基の石油タンクの向時火災の観点から注目された。事故の原因は，米国連邦政府機関U．S．Chemical Safety and Hazard Investigation Board（CSB）が調査し，2015年6月11日のWashington D．C．でのPublic Meetingで，最終報告書のドラフトが公表された。本報ではその報告書に基づいて，事故の概要と原因を述べる。