数理最適化とミクロシミュレーションの融合技術による大規模工場における搬送の効率化

摘要

近年，大規模なジョブショップ型工場には，搬送車による自動搬送システムが導入されている。このような工場では，搬送車がショップ間をネットワークでつなぎ数多くの加工中の製品を自動的に運搬するが，搬送車の渋滞が発生すると生産効率を悪化させるリスクがあり，搬送車の流れを効率的に制御する必要がある。東芝は，工場内の搬送車の状況を可視化し，複数の搬送車に対する車間制御則に基づきモデル化してシミュレーションし，搬送効率が向上するよう制御則を最適化する技術を開発した。渋滞学の知見に基づいたモデルを用いて，数理最適化とミクロシミュレーションを融合した技術であり，実際の自動搬送システムのデータを用いて検証し，この技術の有効性を確認した。