ハイブリッド，燃料電池など先進動力自動車の現状と将来

摘要

以上,自動車用動力源の開発動向について述べてきたが，最後に今後の普及予測を行いまとめとしたい。 まず，従来のガソリン，ディーゼルあるいは代替燃料を用いた内燃機関であるが，今後も当分の間は自動車用動力源の主流であることは間違いない。 排出ガスの面では，燃料種によらず空気中の有害成分の濃度にかなり近いレベルまで改善されることが予想される。加えてエネルギー効率の大幅な向上を狙った場合，HEV，FCVあるいはEV化によって駆動の一部あるいは全てを電気駆動とすることが必要となる。HEVについては，多くの自動車メーカから量産化の発表があることから，今後しばらくは内燃機関自動車のHEV化が進展していくと予想される。 42V系システムの登場はこの傾向に拍車をかけるであろう。 その後はFCVが，石油価格の上昇，インフラの整備および車両の低価格化に伴い序々に普及していき，内燃機関HEVに取って代わるものと予想されている。 EVについては，そのメリットを生かせる限定した用途において序々に普及していくと見られる。 いずれにしても，今後は電気駆動技術の重要性が増してくるであろう。