日本製薬医学会 「臨床研究の信賴性に関する緊急提言」の背景と今後の展望

摘要

日本製薬医学会はこのカテゴリ一の研究実施の実態を憂慮し，2009年8月には「臨床研究に関す る提言」を発表し，さらに翌月には臨床研究活動 に対する奨学寄附金交付から研究契約への転換を 推進するために契約書式サンプルを発表してき た.書式に対する認知度の向上とともに研究現場 での契約化が進みつつあるが，その最中に一連の 研究不正問題が明るみに出され，社会の各分野で 契約化が強く求められるようになつてきた.しかし,一部には契約さえ締結すればそれで十 分，という間違った理解をされている面もあり， 研究の公正な実施に必要な基本的な要件を今一度， 関係者全員があらためて認識することの重要性を 訴求するために，2013年7月に緊急提言を発表した（文末資料）.