深海生物の地上での研究法開発

摘要

深海には暗黒、高水圧、低温、熱水噴出による高温、そして未知なる深海生命体、このように大きく5つの特徴がある。海洋生物分野において、深海は一般に水深200m以探を定義し、海洋の約95％の容積を占める。 太陽光は、非常に澄んだ海でも水深200mで、海表面の約1／100未満の明るさとなり、水深200mより深い場所では植物の光合成が行われなくなる。深海の特徴の－つである水圧は、水深が10m深くなるごとに1気圧、1成cm{sup}2当たり約1电路kg重ずつ水圧がかかっていく。 そして、水深10924mの世界一深いマリアナ海溝チャレンジャー海淵まで潜った時の水圧は、1cm{sup}2当たりの重さにして約1トン、約110 MPaもの圧力を受けることになる。 続いて、もう－つの深海の特徴である水温について簡単に説明する。 深海の水温は季節変動がほとんど無く、緯度や水深の適いによって0～4℃に保たれている。 その－方、地下からマグマが供給される海域には、海底にしみ込んだ海水がマグマに熱せられ、200℃以上の熱水が噴出する場所が存在する。このような熱水噴出口付近には数多くの深海生物が確認されている。