そして誰もいなくなるのか大淘汰の瀬戸際に立たされたSS

摘要

「5年彼の2012年には32,000カ所、10年後の2007年には25,748カ所」というのは全石連が実施した将来のSS数予想の平均値（1401号6～7頁参照）である。 2008年3月末の在籍SS数は40,313カ所だから、激しい淘汰の進行を想定しているわけだ。 5年彼の予想では16,000カ所以下、10年後には4,000～8,000カ所というとても考えられないような回答もあるから驚く。 それほど石油販売業者の現状認識は深刻で切実なのだろう。 販売業者が挙げるSS減少の三大原因は「販売競争の激化による経営状態の悪化」、「需要減による経常不振」、「元売統合によるSS集約の影響」である。 石油製品の内需減退で分かち合うパイが縮小、販売競争の熾烈化は簡単には収まりそうもない。精製·元売各社は製油所の稼働率を極力絞っているものの、製品輸出の不振と相まって設備の余剰感が顕在化しており、精製元売の統合再編が新日本石油と新日鉱ホールディングスの大経常統合で終わるのか、さらに新たな再編統合の嵐が吹き荒れるのか、先行きは定かではない。4月からはほとんどの民族系元売が市場連動過決め卸方式に移行し、国際市場に連動して石油製品価格の仕切が決まるので、値決めに情実の入りこむ余地はもはやなくなる。 仕切を回収できない元売は破綻に追い込まれ、末端市場で一定の販売マージンを確保できないSSは廃業を迫られるのは必至。 だが、石油製品の内需減退に歯止めがかからず、熾烈な競争が鎮まる気配は一向にない。このままでは、石油精製·元売会社も石油販売業者も一つ消え、二つ消え、そして誰もいなくなってしまうのではないか。