バイオ燃料の可能性と限界本格普及へ改正品確法の要件整備

摘要

京都議定書目標達成計画に織り込まれたバイオ燃料の本格普及へ環境整備が整いつつある。改正品確法（揮発油等品質確保法）に基づくバイオ燃料混和事業者に必要な技術的基準を定めた総合資源エネルギー調査会石油分科会バイオ燃料の品質確保に関する小委員会の報告書案もすでに固まり、登録申請も11月中に受付が始まる。 京都議定書目標達成計画では、輸送部門についてはカーボン·ニュートラル扱いのバイオエタノールなどのバイオ燃料を2010年度までに原油換算50万kl導入することを決め、このうち21万klを石油連盟がETBE方式で導入することを引き受けた。昨年1月に加盟会社がバイオマス燃料供給有限責任事業組合（JBSL）を設立、「バイオマス由来燃料導入実証事業」を展開し、参加元売がSSで「バイオガソリン」をすでに試験販売している。一方、沖縄や地方自治体ではエタノールを直接ガソリンに混合するE3ガソリンや廃油を利用した脂肪酸メチルエステル混合軽油（BDF）などいろいろな形でバイオ燃料を導入、多様な供給ソースが出現するので、消費者保護の観点から品質の確保が不可欠。 このため、今年5月の品確法改正で混和事業者（特定加工事業者）に事前登録や品質確認が義務付けられ、本格導入へ着々と準備が進められている。 京都議定書の第1約束期限を前に、再生可能エネルギーのバイオ燃料導入へ期待は大きいものの、それにどこまで頼れるのか、短期的にも中長期的にも課題は多い。