Al_2（WO_4）_3-Sc_2(WO_4）_3系固溶体単結晶の育成とそのイオン伝導特性

摘要

我々は一連のSc_2（WO_4）_3型構造を有するタングステン酸塩M_2（WO_4）_3（M＝Sc，Y，Er～Lu，Al)及びこれらの固溶体多結晶が、3価カチオンを伝導する固体電解質であることを実証している。 しかし、多結晶中でのイオン伝導には粒界成分が存在するため粒内のみの3価イオン伝導特性を明らかにすることば困難であった。 近年、我々はチョクラルスキー法により一連のタングステン酸塩の一つであるAl_2（WO_4）_3単結晶の育成に成功し、その粒内のAl~(3＋)イオン伝導特性を明らかにしてきた。Al~(3+)イオン（0.0675nm）とイオン半径の異なるSc~（3＋）イオン（0.0885nm）を含む固溶体単結晶を得ることができれば格子サイズを意図的に変化させることが可能となり、Al~(3+)イオン伝導に及ぼす格子サイズの影響を明らかにすることができる。 そこで本研究では種々のAl_2（WO_4）_3-Sc_2（WO_4）_3系固溶体単結晶を育成し、そのイオン伝導特性を明らかにすることを目指した。