中空糸型正浸透膜モジュールにおける塩水流れの浸透特性

摘要

S．Loeb民らによって提案されたPRO (Pressure Retarded Osmosis）では，膜面積の優位性から中空糸型の半透膜が用いられ，この 中空糸膜では，膜を介して塩水と淡水が存在しており，淡水側 から塩水側へ継続的に浸透が生じている．現在PRO技術では， 浸透流量が少なく，正味電力が極僅かしか得られないことが問 題となっている．これまで，当問題に対する原因として，「濃度 分極」，「ファウリング」が多く研究されている．しかし実際に プラントで中空糸膜を用いる際には，モジュール規模として使 用される．つまり，中空糸膜をモジュール規模で用いる場合に 浸透流量低下の原因となり得る「淡水の濃縮」，「淡水の消失」， 「塩水の偏流」についても同時に議論する必要がある．