Open septorhinoplastyでの美容外科手技の応用 鼻の機能と整容の両立を目指して

摘要

鼻腔抵抗の70%は外鼻を中心とした鼻腔前方部にあり，鼻閉治療における外鼻形成術の役割は大きい。特に鼻中隔尾側部の弯曲の矯正は鼻閉の改善に有効とされる力i',術後の外鼻変形が危惧 されること，従来から行われている鼻中隔矯正手術では修正が困難なことから，鼻中隔の前弯は本邦ではほとんど治療されていない。この数年，我々は美容外科手技を取り入れ，耳鼻咽喉科と 合同で鼻気道と外鼻形態を同時に治療する，いわゆるopen septorhinoplasty (OSRP)を行う機会が増加した。Open approachは鼻中隔矯正術で温存するL-strut自体の変形を直視下に修正でき るため，鼻中隔の前弯ゃ鼻弁狭窄の治療には非常に有用である。外鼻形成術を行った119例を検 討し，外鼻変形に対する治療方針，OSRPを導入した背景，耳鼻咽喉科との合同手術での留意点を報告した。