医療用医薬品の物流品質No.1を目指して：高度システム化とBCP対応を徹底

摘要

製薬業界では近年，巨額化する研究開発投資やグローバル販売展開に対応するため，世界的にM&Aによる集約化·大型化が進展してきた。国内でその口火を切ったのが，旧山之内製薬と旧藤沢薬品工業の合併で2005年4月に誕生したアステラス製薬だ。業界ではこれ以後，第一三共，大日本住友製薬，田辺三菱製薬，協和発酵キリン……と大型合併が続いたが，中でもアステラス製薬は新薬特化戦略を進めて躍進し，「合併の優等生」と評価されている。しかし，この合併により物流も統合し，戦略的効果が生まれていることは余り注目されていない。大震災以後，「安定供給」が最優先経営課題の1つとなる中，その意味は一層重みを増している。現場から報告する。