気象庁の公開情報を活用した気象状況認識支援ツールのプロトタイプ開発

摘要

風水害のような被害発生が想定できる災害では、気象状況を把握することが避難の決め手となる。気象状況は地域性が大きく関連しており、近年では「極値」を知ることが効果的な避難判断に重要であるといわれている。気象にかかる様々な数値データが携帯端末等に配信されるアプリ等はあるものの、極値や同様の気象状況の発生頻度を知るアプリは存在しない。そこで、本研究では、気象庁が蓄積·公開している全国1462カ所の気象観測データを活用することで、ユーザが指定する気象状況が、ユーザの居所近辺にとってどの程度であるかを示すツールのプロトタイプを開発し、2016年7月26日の富山における記録的短時間大雨の発生時に動作検証を実施した。