体外式腹部超音波検査による胆道癌診断の進歩

摘要

近年の体外式腹部超音波検査の進歩の一つは,主に疾患の血行動態を加味した診断ということであった。 カラ-ドプラ断層法,パワードプラ断層法が開発され,同時に,炭酸ガスマイクロバブルを勤注してB-mode画像の輝度変化をとらえるUS angiographyが発達した。 US angiographyは,非常に有用な検査法であったが,血管造影法が不可欠なためその侵襲性は避けられなかった。 近年,末梢静脈から投与可能な超音波造影剤の開発と,その造影剤をより効率良くとらえようとするハーモニツクイメージング法に代表される超音波装置側の進歩が同時に認められている。 一方では,このハーモニツクイメージング法から派生した技術であるティッシュハーモニツクイメージング法がある。 本法は,超音波画像にみられる種々のアーチファクトを減弱することでより明瞭なB-mode画像の作成が可能になった。 さらに,ティッシュハーモニツクイメ-ジング法を使用することで,良好な音響窓(acoustic window)の確保が可能になり,三次元超音波,特に擬似内視鏡像(virtual endoscopy)がより鮮明な像として得られるようになった。 胆道疾患の診断に対するこれらの手法の有用性について概説した。