膵仮性囊胞?walled-off necrosisの病態からみたドレナージ林テの適応，タイミング

摘要

Altanta分類が改定され，従来は急性膵炎後の仮性囊胞としての包括されていた病態が， その形成時期や形成過程から「仮性囊胞」と「walled-off necrosis ： WON」といった別の病 態に分類された。また，これに加えて従来からの慢性仮性囊胞も存在する。これまでの検討か ら，症状の有無を問わず大きさが6 cm以上であり発生から6週間を経過したものは自然消褪 が期待できず治療適応とされているが，増大傾向?出血?感染を伴った症例では大きさや期間 に関わらず治療を考慮しなくてはならない。また，治療法選択に関しては，WONや一部の急 性仮性囊胞では胃壁がWONゃ囊胞壁の一部分となるため経消化管的治療の適応となるが，膵 内囊胞として形成される急性?慢性仮性囊胞に対しては経乳頭的治療が必要となる。膵炎に伴 ぅ囊胞性病変の治療に際しては，その病態と成因の理解がきわめて重要である。