CT画像による術前肝切除シミュレーションの有用性 CT volumetryを用いた術前肝機能評価

摘要

MD-CTより構成される肝の3Dイメージソフト(Virtual Place Advance ;AZE system)を用いて腫瘍存在部位,門脈や肝静脈の走行を3D表示し,術前に肝切除のシミュレーションを施行するとともに切除肝重量を推定した。 切離面の主要な血管が立体的に描出されるため,実質切離時の迷走を防ぎ,術中ナビゲーターとして計画的な切除遂行が可能となった。 今回の検討ではCT-volumetryにおける切除肝重量の誤差は10%未満であり,また術前推定肝切除量を他の血中肝指標と組み合わせることで安全な肝切除評価式を作成することが出来た。最近では画像を平滑化して肝表面や血管の走行が滑らかに3D表示されるサーフェスレンダリング表示が装備された新しいシステムも開発され,より肝区域を反映させた手術シミュレーションが可能になった。