日本における胆道,膵癌化学療法の現況 - 進行胆嚢癌 -化学療法の適応と成績

摘要

進行胆道癌における化学療法は一般的に遠隔転移を伴う進行例に適応される。特に胆嚢癌は初診時すでに遠隔転移や高度のリンパ節転移を伴うことが多く, 75.9%が切除不能であリ,32.4%の症例で化学療法が施行されている。 現在まで胆嚢癌を含む胆道癌に対する化学療法として,多くの臨床試験が行われてきておリ,単剤では, 5-FUでINF, leucovorin, hydroxyurea などのbiochemical modulationとの併用によリ30%以上の奏効率が報告されている。また,多剤併用療法では5-FU+ADR+MMC, 5-FU+CDDP+epirubicin, 5-FU+CDDP, low dose 5-FU+CDDPなどのregimenで高い奏効率が認められている。 胆嚢癌においては切除不能の進行癌や切除後の再発例に対する治療戦略を考える上で,化学療法は重要な役割を果たしておリ,今後標準的化学療法の確立が望まれる。