随伴陰性変動の臨床局所脳血流および髄液中の神経伝達物質との関係

摘要

事象関連電位は，ある刺激に対して被検者に課せられた種々の精神作業（課題）の負荷によって惹起される脳電位であり，外的刺激に対する直接的な反応で，刺激の物理的特性に依存する「誘発電位」とは区別されている．随伴陰性変動（CNV）は事象関連電位の一種であり，その振幅は痴呆，Parkinson症候群，うっ病，高齢者で減少し，片頭痛で増大すると報告されている．CNVはS1（警告刺激）－S2（命令刺激）-ボタン押しの予期的反応時間課題を用い，S2に対してできるだけ速く反応するように被検者に求めると，S1とS2の間に出現する陰性電位である．