膵切除後の膵液ドレナージ

摘要

膵臓外科において膵消化管吻合の縫合不全の克服が最大の課題であり,従来からさまざまな吻合法の開発や工夫がなされ,吻合部の開存性を保持し,万一縫合不全が発生した場合にも,膵液を体外もしくは腸管内ヘドレナージするステントチューブの留置が広く行われている。本稿では膵切除術後に現在行われている主な膵液ドレナージ法を述べるとともに,われわれの行っている膵液ドレナージ法について述べた.膵液ドレナージは,再建法や残膵の状況に関わらず,節付き膵管チューブを用いた外凄を基本としており,膵液は不完全ドレナージとしている。 その経路は再建法で異なり,Child変法では経腸的,今永法では経肝的,膵胃吻合では経胃的に体外へ誘導している。膵液ドレナージ法の選択に際しては,それぞれの方法の特徴をよく理解した上で手術に採り入れるべきである。