全身性エリテマトーデスに対する柴苓湯の効果－ループス腎炎に対するメシル酸カモスタットと柴苓湯の併用療法

摘要

全身性エリテマトーデス（SLE）は自己免疫性機序により多臓器に障害を惹起する膠原病の代表的な疾患の一つである。 腎臓は好発臓器であり，腎病変は予後に影響する要因の一つでもある。 SLEの治療の基本は副腎皮質ステロイド剤であるが，活動性ループス腎炎の場合，副腎皮質ステロイド剤の大量療法もしくはpulse療法が必要なことが多く，副腎皮質ステロイド剤の副作用に苦慮することが少なくない。 また，ステロイド抵抗性の症例やステロイドの減量が困難な症例が存在し，抗凝固療法，漢方方剤，免疫抑制剤，血祭交換療法などを病態や状況に応じて併用することが多い。本稿ではSLEに対する柴苓湯の有用性とループス腎炎に対するメシル酸カモスタットと柴苓湯の併用療法について紹介したい。