原発性肺癌における血清Vascular Endothelial Growth Factor(VEGF)測定の臨床的意義

摘要

肺癌の血清Vascular Endothehal Growth Factor(VEGF)を測定し,腫瘍増殖マーカーとしての意義について検討した。 原発性肺癌患者92例,良性肺疾患患者50例,および健常者30例を対象に血清VEGFを測定した。 同時に血清CEA,CYFRA21-1,ProGRPを測定した。 血清VEGF値は肺癌患者群544.8±72.2pg/ml,良性患者群178.0±32.4pg/ml,健常者群140.8±42.3pg/ml,であり,肺癌患者群で有意に高値を示した。 また,VEGF高値群は生存期間が有意に短かった(p<0.03),さらに,多変量解析による比例ハザードモデルを用いた検討では,血清VEGFが最も有用な予後因子であった。 血清VEGFは原発性肺癌における腫瘍増殖マーカーとなりうる可能性が示唆された。