ブシラミンによる遷延性薬剤性肺炎の1例

摘要

62歳女性。 慢性関節リウマチと診断され,ブシラミンを投与された。 投与後3カ月より乾性咳嗽,呼吸困難感が出現,胸部X線上両側に浸潤影を認めた。 ブシラミンによる薬剤性肺炎と診断し,同薬剤を中止したが,40日間の経過観察にもかかわらず胸部X線上の陰影の改善を認めず,酸素化はかえって悪化したため,開胸肺生検を施行した。生検の結果,病理学的にはdiffuse alveolar damageであり,副腎皮質ホルモン剤投与も検討したが,その後陰影は急速に改善していった。